一分一秒真剣勝負!

Ruby, Railsなど。Web系の技術ネタを充実させたい・・が、そうなるかは分からない。

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか—アウトサイダーの時代

読んでいて楽しい

 若者はなぜ3年で辞めるのか?の続編。相変わらず面白い。前作では「若者が3年で辞める理由」を書いていたが、今回は「3年で辞めた若者たちの後日談」を軸に、昭和・平成の価値観、世代論、日本の現状・未来等々を書いている。徹底した年功序列制度の批判は前作同様貫かれていて、これを読む若者世代はスカッとするだろう。ただ、当たり前の事しか書いてないなと思う人もいるかもしれない。前作が特にそう感じたのだけど、就職氷河期世代が読んだらその傾向は多いと思う。ただ、城さんは文才があるので若者が読んでも飽きさせないところが凄い。読みきった後に自分がこの本を書けるか?と聞かれたら答えはNOだ。
 ところでジャンルは違うのだけど、ウェブ進化論を読んだ時に感じた、著者の情熱・思いが伝わってきた。やはり情熱のこもった本は面白い。

年功序列は後15年で終わる

 現在の年功序列制度はあと15年で破綻すると城さんは断言しているけど、これはどうなんだろう。日本では1000万人規模の移民受入れが検討されているのだけど、年功序列が崩壊するか否かは、移民受入れを実行するかしないかにかかっていると思う。大量の労働者を受け入れれば、年功序列は15年以上継続できるはずだ。当然、城さんも移民受入れには言及している。

ヨーロッパ諸国は既に九○年代から移民政策の見直に舵を切っている。短期的には一部の企業の業績には貢献しても、彼らを受入れ、同じ国民として処遇するためのインフラ整備に対し、結局は社会全体が莫大なコストを負担しなければならないという事実に気づいたためだ。今更日本が企業エゴに屈して、同じ轍を踏む必要はないだろう。

 全くその通りだと思う。移民受入れが無ければ、僕も「年功序列は後15年で終わる」に賛成だ。

なんで辞めるの?

 よく、色々な会社で年配の方に聞かれるのが「なんで若いのはすぐ辞めるの?」だ。若手の社会人ならよく聞かれる質問だと思う。今年は飲みの場が無いので、まだ聞かれていないのだけど、もし聞かれたら「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を勧めてやろうと思っていた。本書の出版によって勧める本が2冊になってしまったのだが、オッサンたちは2冊も読んでくれるのかなぁ。